「開物叢説 石鹸」 補足情報

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4-0. 石けん

石鹸(せっけん)

広義には脂肪酸の金属塩の総称であるが、最も普通にはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩をさす。アルカリセッケンは更にその硬軟によって硬セッケンと軟セッケンとに分けられる。そのほかの金属塩は大部分が水に不溶性であって、これらは金属セッケンの名で区別されている。なお脂肪酸と類似性をもつ樹脂酸、ナフテン酸の塩類もセッケンとよばれる。アルカリセッケンは水溶性で著しい表面活性を示し、安定なアワを生じ、大きい洗浄力を持っている。低濃度では真の電解質溶液の性質を示すが、臨界ミセル濃度では急激にミセルを形成し、この濃度以上ではコロイドとしての性質を示す。水溶液は一部加水分解してアルカリ性を呈する。次にセッケンをその成分、用途、性状および製法により分類すれば次表のようになる。おもなセッケンの成分、特徴、用途などについては、それぞれの項目を参照。

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化学大辞典5, 縮刷版第36刷, p340-341(1997), 共立出版株式会社